備忘録として。先日、京都のとある有名なお茶人さんの茶事にお招きいただき行ってまいりました。
この本にも、その方の事が掲載されています。
場所は京都市右京区、奈良からはJRで京都まで行き、嵯峨野線に乗り換え亀岡行きで太秦で下り、嵐電の撮影所前で乗り換え北野白梅町行きで宇多野まで、近くにこの神社があります。
その日は天皇皇后両陛下が京都ご行在ということもあり、京都駅も売店は臨時休業(?)、警官も多かったような気が、、、そしてこの神社前の交差点も警官が!
ものものしい警戒の中、目的地のお宅にたどり着きました。玄関にはこの大きな壺。後ろの着物に袴姿がご亭主がちょうど玄関におられ、ご説明をうけましたが、三宅一生氏も同じ壺を持っておられるとのことです。
本日の茶事は、本来の正客が急に体調不良で不参加となられたため、男性が私一人とのことで私が正客。これはまた大変な事になった~。
初座の席入りでの掛物は、沢庵宗彭和尚の『春雨寂々の処』のはじまる手紙、今日の亭主の趣向は【春雨の茶事】とのことです。実はこの書状、追伸で『雨晴れて道晞(かわ)き‥』との文章があり、晴雨どちらでも掛けれるとの事でした。
茶事は道具組みから本物ばかり、お料理も本格的なものでした(一流料亭の方が厨房に入って作っているらしいです)、茶事の作法は所々間違えましたが、鷹揚なご亭主のご配慮により丁寧に教えて頂き、まるでお茶事のお稽古をさせていただいたようでした(頼りない正客でご連客の皆様、申し訳ありません)。
仲立、後座の席入りでは掛物は変わり、遠州の色紙。古今集の読み人知らずから
『吉野山 雲か雪かといつわりし だれかまことか 花のさくらむ』の歌。そういえば寄付きの屏風は吉野山の図でした。う~む。さすがにご亭主。
濃茶、薄茶も名器の茶碗でいただきました。茶杓はかなりの珍品(らしい)。それを見て当てたのは、千宗屋さんだけだとか。
ほんと、お茶の世界は凝り出すと底なし沼のようですね。こんなにもすごい道具を、惜しげもなく使われる人がいるとは、、、。
帰りはJR花園駅までお車で送っていただきましたが、まだまだ、お稽古に精進せねばと、奈良へ帰る道すがら思いました。
おしまい。