昨晩(11月19日)は、若手書家の 鈴木猛利さんが三五夜の煎茶道体験にお越しくださいました。鈴木さんは、以前から東京の桜井焙茶研究所などで作品を見ていて、その柔らかで流麗な書体がいいなと思っていたのですが、三五夜のお客様からのお繋がりで知ってくださった鈴木さんが、お弟子さん達と共に研修旅行で来寧の折に、わざわざ三五夜に訪ねてくださいました。 名は体を表すが如く作品と同じく、人柄もとても優しく気さくお茶を通じていろいろお互いのことを語り合いました。鈴木さんにとっては、普段の東京での忙しい活動の初日にここに来て、お茶でクールダウンできた事で、これからの奈良のたびにを落ち着いてみる事が出来る良いきっかけになりました、と嬉しい言葉をいただきました。 お茶が終わってお礼として、おもむろにいつも持ち歩いている書道具を取り出して、水滴の代わりに急須の中に残っているお茶で硯に入れ墨を磨り今日の想いを書いていただきました。『吾心似秋月』(寒山詩)、お茶を通じでお互い澄み切った心になった瞬間でした。
吾心似秋月 吾が心秋月(しゅうげつ)に似にたり
碧潭清皎潔 碧潭(へきたん)清くして皎潔(こうけつ)たり
無物堪比倫 物の比倫(ひりん)に堪えたるは無し
教我如何説 我をして如何(いかん)が説かしめん
煎茶文人趣味の世界を今日に再現したような素晴らしい一夜となりました。鈴木さん素敵な一夜をありがとうございました。また、これからもよろしくお願いいたします。また今回の奈良たびの出来事など語り合いえるように願います。
鈴木猛利さんは、東京神楽坂で『白日居』という書道教室も開いています。書に関心のある方は、お教室も一度みて下さい。私も東京にいく際は是非訪ねたいと思っております。