一昨日の激しい夕立のあと、空気が入れ替わって秋の気配に包まれるようになりました。
昨日まで播州明石の実家にて所用を済ませてきました。
昨日は数十年ぶりに一族の墓に詣で、先日京都の紫野の塔頭にある如水公夫妻を祀る黒田家廟所に奇遇にも参拝する事が出来た事など奉告させていただきました。
播州明石は摂津国と境をなし、明石海峡は畿内五カ国へ出入りする関門でもあります。都から去る人、また都へ登る人々にとってこの海峡が、心を切り替えるターニングポイントであった事は万葉集などにも詠まれている通りです。そして、源氏物語を著した紫式部が、ここ明石を光源氏がたどり着いた最西端にした事。宮中の権力闘争に敗れ須磨に逼塞しつつも、明石で出会った女性との間に一女をもうけ、やがてその娘が中宮となり皇子を産んで帝となり、自身は外祖父となり栄耀栄華を極める事になるきっかけの地とした事など、時の都人には明石は都には摂していても畿内にはあらずして再生と再起を期する何か特別な意味が持たせるのに充分な意味合いがあったのでしょう。
1200年前の都、奈良において三五夜という場を得て約一年。茶の湯の茶会として、「聞香茶会」を催したのが昨年の九月。今年に入ってからは月釜という事で、毎月の茶会を催して多くのお客様にお越しいただけるようになりました。誠にありがとうございます。
明日は、その一周年記念となる「五味六国の聞香茶会」。この一年のご愛顧にお応え出来るよう 、寧楽の地において一同一丸となって相勤めたいと思います。どうぞよろしくおねがいいたします。