新年あけましておめでとうございます。すっかりブログの更新が遅くなりました。本年もどうぞ三五夜をよろしくお願いします。
言い訳ということでもないのですが、年末年始の三五夜はイベントが立て続けにございました。やっと時間ができましたので、そのご報告も兼ねて書かせていただきます。
まず、昨年2019年12月31日の大晦日には除夜釜を開催いたしました。こちらは、大晦日の年越し蕎麦の点心を付。懐石道具を用いて略儀ながら茶事の形式をもって執り行いました。

まずは口取三種と一献、美味い清酒をいただきましたのでそちらを朱盃にて。またノンアルコール飲料として発泡甘酒をお出ししました。

蕎麦は私の地元の播磨の蕎麦、懐石料理に準じた薄味のお出汁の京風鰊蕎麦としました。蕎麦の後は上生菓子を召し上がって頂き、中立代わりの小休止。その後、濃茶続き薄にて薄茶を心ゆくまで楽しんでいただきました。


除夜釜は本来なら除夜の鐘を聴きながら、年をまたいで行うものですが、お客様を招いてということもあり午後からのイベントとして開催いたしました。お客様にも大変好評で、「もう家で年越し蕎麦食べません」などとおっしゃっていただきました。ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
お客様が帰られた後は三五夜の月釜で毎回お点前をしてくれている堂後茶道教室の有本さんと除夜釜から埋み火までご一緒してくださいました。日が改まって、炉の中の前年の炭を半田焙烙に一度上げ新しい炭を次ぎ、釜の湯を新しい水に変えて再び煮えがつくまで、昨年一年間いろいろ試行錯誤しながら三五夜の月釜をやってもらったエピソードなどを話したりして時を待ちました。
釜の湯が沸くと、今年最初のお濃茶を練ってもらい亭主相伴で一緒にいただきました。




埋火の後は新年の床飾り、結び柳を紅白椿(大白玉・ししがしら)、梅の若枝を添えて。新年の陽光を迎えました。



三五夜の茶の湯の月釜は、我々の師匠表千家教授の堂後宗邑先生、また岩手の裏千家の准教授であり古美術に造詣の深い先生の監修のもとに、茶の湯では兄弟子に当たる私より年下の有本さん無くしては続けられなかったとつくづく思います。
元旦はゆっくりお休みさせていただき、2日からは煎茶の初煎会をおこないました。これは4日までの三日間で、完全プライベート空間として、ご予約頂いたかたのみ、その他の方とが出会うことなくじっくり三五夜の空間とお茶お菓子を楽しんでいただくようにしました。

期間中一日4席、しかも夜の部も設けましたが、おかけをもちまして全席満席となりました。その間、様々な、方々とお会いする事が出来ました。そして、ご予約のみの完全プライベート席にした事、椅子席にした事もあるからでしょうか、皆さんリラックスしてよくお話しになられました。そして、よく笑いました。笑顔が溢れて、これほど新年に相応しい初煎茶会はありませんでした。私もよく笑いました。

三五夜特製の大福茶を飲んでいただき、餡がたっぷりではみ出そうな(福があふれんばかりとの意味だそうです)明石の老舗藤江屋分大の鯛もなか、静岡川根の上煎茶で喉を潤してから、三五夜特注の玉露と、これまた藤江屋分大の栗羊羹と浮島生地の乗った菓銘『望』(令和二年歌会始の勅題)、召し上がっていただきました。


話題は、人それぞれでしたが、皆さん興味深いお話しを沢山していただきました。ありがとうございます。
今年もこうして、目出度く笑いで始まりました。皆さんあっての三五夜だとつくづく感じて今日の初煎会を終える事が出来ました。
明日からは、また通常通り、茶道教室の初稽古が始まります。19日は茶の湯の初釜となります。その間にも、煎茶体験でご来店のお客様(初めての方だけでなく、このプライベート空間をお気に召していただいているリピーターの方々も含めて)、さらに三五夜を良いものにして参りので、どうぞご支援ご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。
