三五夜の初釜、無事終了しました。
本日の初釜では待合の二階八畳の七尺床の柱に根竹をくくり付け、節の間に穴を開け結び柳を豪快に差し、松、梅、椿を彩りとして生けました。これは、三五夜の月釜でお点前を受け持っておる有本宗星さんが昔見たある高級料亭のお正月飾りにヒントを得て、自ら竹を地中から掘り洗って綺麗にし、裏山の自生の柳の枝を車いっぱいに積んで三五夜まで持ってきてくれました。昨夜の準備の時は、私と有本さんと監修に入っていただいている、我々の師匠の堂後先生 にも遅くまで立ち会っていただき、遅くまであーでもないこーでもないと、何度も生け直して本日を迎ました。おかげさまで、最初に待合に入ったお客様からは、七福神の掛軸とともに、最初からとてもお目出度い気分になってもらえました。
いつもの香煎席では、ノンアルコールの発泡甘酒を十二支の盃をお客様にお選びいただき、そのまま一階のお茶室に入席いただきました。今日のお菓子は大和郡山が本店の本家菊屋さんの花びら餅、お干菓子は先日薬師寺に寄った際に求めた「白鳳の飛天」(樫舎製)、今年は東塔の解体修理落慶法要もおこなわれ、型に使われている飛天も大空に舞う姿が見られるようになります。紅白の彩りに緑のモノがお菓子としてあったらいいとの意見出たので、考えた末に選んだシャインマスカットのグミが皆さん食感も含めてマスカットを食べているようだとの事で好評であったのも、ホッとしました。
今日は京都の各名処や有名所ても初釜の行事が執り行われている中、県外からもはるばる奈良までお越しくださった方も多くいらっしゃいました。有名処や名所の茶会には、遠く及ばない本当に少人数限定でのゆったりとした空間を大切にしている月釜ですが、それ故に、気心の知れた方々やその席でたまたまお隣になったお客様同士が和気藹々と楽しんでお茶を飲み過ごしていただける事を嬉しい思います。足繁く奈良まで、三五夜までお越しくださっておられる方にもその点が伝わって二度と三度とお越しいただけている事を実感します。本日もまた、ありがとうございました。今日お初にお目にかかった方々、今後もよろしくお願いいたします。
来月は、奈良は珠光茶会がございます。三五夜の月釜も2月8日(土)、9日(日)の両日とも10時、14時の計4席です。この時期珠光茶会で全国からお茶人さん達が奈良にお越しなられるようになりました。来月の三五夜の月釜では、お茶会はお茶会でももう一捻りした趣向を考えております。詳細はまた、アップしますが、気になる方はどうぞダイレクトメッセージにてお問い合わせください。