八月も最終日の今日、三五夜満二周年の感謝も込めて、また今後さらなる無事発展を祈願に、いつも三五夜の月釜でお世話になっているAさんをお誘いして天河様に昇殿参拝させていただきました。桜井までは、JR桜井線で。この線は今は「万葉まほろば線」という愛称でよがれている車両が2両というローカル線ですが、途中の大和の青垣が太古の風景そのままのような感じで非常にノスタルジックに感じます。巻向から三輪間では、三輪山のお姿も非常に雄大に拝することができ、車中からこれから向かう天河様への道中の安全を祈願いたしました。
昨年から引き続き天河様にお詣り出来た事は大変有難く、また今年はさらなる芸道上達の祈願も込めて愛用の篳篥も共に神前の案に置かせていただきました。その後、近くの天の川温泉へ。ここの泉質が柔らかくまた肌がツルツルとしてとても良い湯です。大峰山系の山々の向こうには夏の名残の雲が沸き立ち、天河の龍神様の恵みをいただいてきました。
このような大変な時期の中なんとか続けてこれたこと、さらに来月再来月と記念の月釜がおかげ様で大変好評にご予約いただいていること、いけばな教室や雅楽教室なども先生や生徒の方々が集まってくださって定期的に続けることで徐々に人も集まり出している事、煎茶道体験も三五夜の名前が知られるようになるにつれて少しずつですがご予約いただいていることなど、到底私一人の力で及ばない事ばかりですが、継続は力なりと信じて頑張ってまいりました。こうやって、今年も天河様にに来ることが出来、御奉告できることの感謝をありがたく思います。
さて9月に入り、昨日は9月の茶道教室がはじまりました。今日は久しぶりに煎茶を淹れてお客様にお出しして、この秋に向けての打ち合わせいたしました。今日のお客様は煎茶道体験でお出しする赤膚焼の菓子皿をいたく褒めてくださいました。 奈良の名所や鹿などを描いたこの手の赤膚焼の菓子皿をわらび皿と言います。文字通り春日大社や東大寺の参道などの茶屋でわらび餅も出していたお皿です。揃いになっていないので、煎茶体験などお一人様用にとしていますが、奈良の三五夜でいただく煎茶には相応しいかと思います。
今日は台風の余波で天候も不安定、時折雨も降る蒸し暑い日でしたので、打ち合わせのお客様には、いつもより熱めの温度でサッと淹れた玉露を何煎か分けて淹れ、大きめのお茶碗で合わせて喉を潤していただきました。熱めの温度で淹れるので、程よい渋みと玉露の甘みがブレンドされ、少し温度が下がったくらいがちょうど良い加減となります。演奏で喉が乾いてもゴクゴク飲む事ができ、しかも渋みの主成分であるカテキンの成分が口中をサッパリとさせてくれます。 二人して打ち合わせしながら篳篥を一緒に演奏したり調子を合わせたりしながら、お皿に盛った本家菊屋製のわらび羹とお茶を召し上がっていただきました。 雅楽を通じての交わりで良いひと時と次への目標もできました。 ちなみに、「調子を合わせる」も「打ち合わせ」も雅楽用語だそうです。meetingとして実際に会っていても、聴覚の方かでそれを呼び表した感覚がとても面白いなと思いました。 さて、そのミーティング(打ち合わせ)の内容、また詳細が決まり次第お知らせします。