先月の事となってしまいましたが、11月22日~24日の三日間に渡って開催しました三五夜の霜月の月釜『火と人の温もりの炉開き茶会』、無事に終了しました。今月から平日も含めた初めての三日間の開催となりましたが実に多くの方々にお越しいただきました。また今回は新たに三五夜を見つけ出したくださったご新規のお客様も多くお越しくださいました。従来からのお客様、またご新規でお越しいただきお気に召していただけたお客様、重ねて御礼申し上げます。 今回は京都のM様からお譲りいただきました堂本印象門下の諸藤英世による『奈良の秋 鹿』の屏風のお披露目も兼ね錦秋の奈良を愛でて、お茶の正月とも言われる炉開きを催しました。
待合には、初瀬の山奥から運んできたイロハ楓の枝を二階八畳座敷の床柱に結び付けました。葉はすべて取り払い枝ぶりの見事さを引き立たせました。葉をすべて取り払ったの理由は本席への趣向へと続きます。
また今回の香煎は奈良東部山間部の田原地区にお住いの方から頂いた柚子皮を三五夜でお点前をして頂いているAさんが蜂蜜漬けいした「田原の山苞(やまづと)」を煎茶道具を用いて湯で溶いて召し合って頂きました。柚子の爽やかな香りと甘さが好評でした。三五夜の香煎はその折々の趣向で変化を持たせておりそれを楽しみにお越しになるお客様も多くいらっしゃいます。
主菓子は奈良で一番古い和菓子屋、本家菊屋のきんとん、銘『初霜』、濃茶各服点てにてお召し上がりいただきました。続き薄のにてお出しした干菓子は少し遊び心を入れ、椿の季節なので資生堂パーラーから取り寄せた花椿クッキーと葡萄琥珀の二種盛り二服を、濃茶での厳粛な雰囲気から薄茶では和やかなムードで進行出来ました。
三五夜の炉は一階の四畳半にありますが、当日は襖を取り払い七畳相当の広さを確保しました。定員も設けお客様との間隔も充分とってお座りいただきました。 大寄せの茶会にはない、客とお迎えするの亭主側、またお客様同士との暖かい心の交流がこの様な小寄せの茶会でしか味わえないものだと思います。今回も新しくお出会いを沢山いただきましてありがとうございました。
さて来月の師走の月釜は12月26日(土)、27日(日)、28日(月)の三日間です。時間は10時、12時半、15時の各日三席、会費はいつも通りお一人様3500円(濃茶各服点て、薄茶ニ服、上生菓子、干菓子付き)です。 26日10時・15時と27日10時のお席はすでに満席となっております。その他のお席はまだ空いておりますが、今回も定員が限られておりますので、ご都合が宜しければお早目にご予約ください。 お申込みは、①お名前②ご希望の日時③参加人数④当日ご連絡のつく携帯電話番号を明記の上、DMにてご連絡ください。また、三五夜ホームページの「お問い合わせ」フォームをご利用ください。 暮れの押し迫ったお忙しい時期ですが、一服のお茶をゆったりと飲みながら今年の振り返りと、今年無事過ごせた感謝を初詣で混み合う前に奈良の寺社にお参りがてらお越しいただけたらと思います。