毎年恒例の古橋先生によるお茶会。今年は開炉特別茶会古橋先生の第一回水晶茶会『桃山の悦楽』として11月25~27日の三日間開催いたしました。
今回の主菓子は萬々堂通則製の銘『西王母』、総織部の葉型の銘々皿は今回の水晶茶会『桃山の悦楽』の亭主を務める陶芸家の古橋尚先生が焼かれた作品。お客様にお菓子を乗せてお出しした後は、お客様に今回のお土産として持って帰っていただくという、陶芸家の先生ならではの趣向に皆さん歓声が上がりました。
『桃山の悦楽』というタイトル通り、今回は古橋先生のコレクションから、江戸時代に入る前の桃山時代に短期間焼かれた美濃の古陶、織部•志野に想いを馳せてお道具組みしてくださいました。
待合床には、白洲正子の原稿(水晶での出会いが白洲正子さんを知るきっかけとなりその美意識に魅せられて今回のコレクションを築かれた)を飾り、白洲正子も集めた織部や志野を彷彿とさせる古橋先生の集めた古美術を用いての焼き物談義、本席床には、古田織部の消息を掛けて、古志野の筒向付、銘『刀自』(刀自とは古い言葉で老齢の女性への敬称=白洲正子女史に敬意を込めた古橋先生らしい名付け)、大きな水晶玉など、古橋ワールド満開でした。
三五夜らしく流儀に囚われない数寄の茶を古橋先生は今回も開いてくださいました。焼き物にお詳しいお客様は『刀自』を実際に手に持って、触れてじっくりご覧なっておられました。
また、白洲正子に興味があって参加されたお客様もその世界に浸って大変喜んでいただけたかと思います。 本日終了後古橋先生が片付けをされる中で、展示物の書籍からお借りした『白洲正子特集』の芸術新潮(1995年2月号)、お客様としてもお茶会に来てくださったアレックス•カー氏と白洲正子氏の対談の中で、「ものが美術館に入ったらおしまい」との白洲正子氏の言葉通り、古美術を間近で見て感じれる一会となりました。
古橋先生には名古屋から多くのコレクションを車を運転して、持って来ていただき、本当にありがとうございました。また、今回の会で有形無形のサポートをしてくださいました堂後宗邑( @kibunegiku1008 )先生、お点前および水屋手伝いをしてくださいました堂後茶道教室の方々、ありがとうございました。そして、何より今回お越しいただきました皆さまありがとうございました。