新年あけましておめでとうございます。もうすでに11日でお正月気分とも言ってられませんが、今年もよろしくお願いします。
三五夜の睦月の月釜は、『三五夜の令和四年の初釜』として元日から本日まで無事に四日間終えることが出来ました。嬉しい事に元日の第一席からいつもご愛顧いただいているお客様がご主人様とご一緒に来てくださり新春を寿ぐ雑煮を召し上がっていただきました。
その他の日も、ご一家で一席ご予約いただいたお客様や日頃お仕事やスケジュールが合わなくて残念に思っていらっしゃる方々が貴重なお正月休みを、わざわざ三五夜ために割いてお越しくださいました。新春らしい設えの中お膳にて椀(雑煮)と、松の絵柄のお皿に口取三種、酒は伊勢神宮の御料酒でもある『白鷹』にて一献としました。 濃茶は京都の蓬莱堂さんの迎春限定抹茶『丹頂』を昨年同様に各服点てにてたっぷりと飲んでいただきました。 床の軸は、明治の子爵東坊城徳長の初春の一首「霜白き」。
結び柳にはおめでたい木々も添えて華々しく生けてみました。 また、組み紐細工の虎(黄・白)一対は三五夜にもお越しのお客様のお手製。とても可愛い表情に席も和やかになりました。
4日間の初釜が終わって翌5日は朝から名古屋に移動。三五夜の茶道教室の講師も務めて下さっている私の茶の湯の師匠の堂後先生と三五夜の見えない部分で多大にお世話なっている同じ堂度社中のAさんと車で向かいました。本日の予定は、昨年三五夜で「白洲正子茶会」を開催してくださった、名古屋の古美術愛好家の古橋尚先生邸。本当にご無沙汰でお宅をご訪問するのは初めてでした。
先生の庵で早速一服のお茶をいただいた後、先生のコレクションからいろんなお話をうかがいました。400年前の書状をガラス越しでなく間近で解説付き見せてもらえて眼福でした。また、近代数寄茶人として有名な益田鈍翁が中京地区における茶の湯にどれだけ影響を与えているかのお話も大変興味深いものでした。鈍翁が名古屋の数寄者森川如春庵へ送った品物からも、その交流の深さと影響が伺い知ることができました。先生のおっしゃるには、その中京の茶を今に伝えるのが上飯田にある料亭『志ら玉』さんで行われている茶会だそうです。
そして翌日は、 上飯田『志ら玉』令和四年木曜会初釜へ。お店の設えはいつも感動しますが、新春の設えも大変勉強になりました。名古屋は年末まで大雪だったようですが、2日間とも晴天に恵まれました(奈良は6日午前は雪景色だったようです)。
6日夕方奈良に戻り、翌日と翌々日はゆっくりと三五夜の初釜の後片付け・掃除・洗濯と所用を済ませて9日はお稽古している堂後茶道教室の初釜へ。初釜は奈良町のお教室の由緒のある四畳半の茶室に入室し皆さんでお濃茶をいただきます。その後広間でお食事と先生秘伝の雑煮をいただきました(三五夜の雑煮も堂後先生の秘伝の技を私の弟が教えてもらい作ったもので、茶懐石にもあうようにとても上品な仕上がりになっております)。いつもは違う時間帯にお稽古に来られている生徒さん達とは久しぶりにお顔合わせしたり、近況を聞きながら初釜を楽しみました。
三連休最後の10日は三五夜の雅楽教室「おけいこががく」(休日コース)でした。ちょうど十日えびすの日と重なっていたのですが、今年は名古屋出張などもあり五日えびす(奈良は奈良町にある南市恵比須神社の五日戎もあります例年そちらで福笹をもらっています)、春日大社の十日戎で福笹を授与していただきました。雅楽教室の山口創一郎先生には申し訳なかったのですが、昼過ぎ生徒さんがお稽古の時間の合間に急いで春日大社まで自転車で向かいました。ところが私の直前の人で準備の笹はなくなってしまいました。そこで係の人にお願いして捨てるはずの中かな綺麗なものを選り分けて一本もらい受けました。本当に最後の最後に福飾りを福娘さんに付けてもらう事ができましたが、その場の様子を見ていた読売新聞社の記者さんに呼び留められて取材を受けたところ、何と今朝の朝刊(奈良地域版)にその様子が載っておりました。残り福を分けていただきその上新聞にも載るとは!新年早々良い事で新聞に載れてよかったですw そんな喜ばしい事もあったので、今回は福飾りもいつもより多めに。福笹はいつものように、三五夜の入り口入って右側の腰掛待合の屋根の上にお飾りしています。今年の三五夜も何か持っていますねw。この福をお越しになられるお客様に少しでもお裾分けして皆が幸せになれるお店にしていきたいと思います。
明日はまた雅楽教室「おけいこががく」(平日コース)です。おけいこががくも山口先生の教え方の妙もあってお蔭様で平日・休日ともに個別楽器コース予約で一杯になることが多くなりましたので、2月より平日コースを1日増やすことになりました。詳しくは「おけいこががく」の申し込みホームページをご覧ください。14日(金)・16日(日)・18日(火)は堂後先生の表千家茶道教室、16日(日)からは小山先生による山村御流の華道教室も始まり、三五夜も通常モードにもどりつつあります。
今年も様々なイベント等を考えております。また、奈良の隠れ家としてご利用いただく新たな空間設備の充実を図るとともに、今年は奈良を飛び出して三五夜の事を知っていただく機会にも恵まれると良いなと思っております。